2010年05月02日

村上春樹さんとジャズをくっつけて楽しもうE

村上さんの作品の中に、「国境の南・太陽の西」という作品がある。

その中に、主人公とその恋人が学生時代にナット・キング・コールの

「国境の南(South of Border)」を一緒に聞くシーンがある。

ナット・キング・コールが歌うこの曲の記憶から、題名の

「国境の南・太陽の西」をつけたと、「ポートレート・イン・ジャズ」

に書かれている。


国境の南、太陽の西 (講談社文庫)

国境の南、太陽の西 (講談社文庫)

  • 作者: 村上 春樹
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 1995/10/04
  • メディア: 文庫




ところが、ナット・キング・コールは、「国境の南」は歌っていない

そうだ。村上さんもある方に指摘され調べてみたが、歌っていない。

「ポートレイトインジャズ」のP133〜少し引用させていただく。

*******************************
「まさか」と思ってディスコグラフィーを調べてみたのだが、

驚いたことに本当に歌っていない。(中略)

ということは、現実に存在しないものをもとにして、僕は一冊の本を

書いてしまったわけだ。でも - 強弁するわけではないけれど-

結果的には、むしろその方がよかったんじゃないかという気がしないで

もない。小説を読むというのは結局のところ、どこにもない世界の

空気を、そこにあるものとして吸い込む作業だからだ。
*******************************

村上さんらしいいいわけと思わないわけではないが、

小説を読むということを、

「どこにもない世界の空気を、そこにあるものとして吸い込む作業」

という村上さんの表現力に圧倒されて、何も云えない。

「国境の南・太陽の西」という小説は、青山で成功しているジャズバー

の経営者が、昔の恋人で今は素性が謎な女性と巡り合い…という話しで

あるが、まさに「どこにもない世界」を吸い込まされた気分になる。

ところで、肝心のナット・キング・コールだが、ポピュラーソングの

王様として有名で広く知られていると思うが、もともとは、

生粋のジャズピアノマンである。


アフター・ミッドナイト

アフター・ミッドナイト

  • アーティスト: ジョン・コリンズ,チャーリー・ハリス,リー・ヤング,ファン・ティゾール,スタッフ・スミス,ハリー・スウィーツ・エディソン,ウィリー・スミス,ジャック・コスタンゾ
  • 出版社/メーカー: EMIミュージック・ジャパン
  • 発売日: 2006/06/14
  • メディア: CD



(村上さん推薦盤と僕のお勧め盤が一致するとなんだかうれしい)

ナット・キング・コールの甘く切ない調べは、夜の帳にぴったり

あったりする。

この「アフター・ミッドナイト」は、中でもジャズ的色彩の濃い

ものといえる。

彼のピアノの歯切れのよいタッチと軽快なスイング感、

それに加え、甘さ抑え気味の歌声も同時に楽しめる珠玉の一枚である。


では、またまた。



ラベル:村上春樹 JAZZ
posted by 成長企業プロデューサー 小松弘明 at 11:00| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | JAZZ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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