2011年06月03日

”チャンスがチャンスの顔で近付いてきたら”要注意!

先週の宋さんのメルマガを読んだら、今日のタイトルを思いついてしまった。

僕はこれで何度も失敗している(笑)。

20110503 GW鉢植え 034.JPG

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◆論長論短 No.141
自分と自国をも疑う心
宋 文洲

中国の富裕層の多くは海外にも住居と居住権を持っているのです。「なぜだろ
うね」と家内にいうと家内が迷わずに答えてくれました。「自国がよくないと
思うからでしょう」。

「なるほど」と思いました。第三者(彼女は日本人)の立場からみればそれは
簡単過ぎる理屈です。自国のほうがいいと思うならばわざと海外に資産や居住
権を分散する必要がないのです。彼らが裕福で不満のない生活を中国で過ごし
ても自国のカントリーリスクを感じているのです。

しかし、日本では「カントリーリスク」という言葉は中国やロシア、アフリカ
などの国に使うものであり、間違っても日本自身に使うことはありません。中
国のカントリーリスクを研究しても、米国のカントリーリスクを研究しないし、
ましてや日本のカントリーリスクなんてありえないことです。

しかし、今だから言えますが、中国人のビジネスマンの中では、もう10年前か
ら日本のカントリーリスクを熱心に議論していました。それは衰退のリスクで
した。くれぐれも誤解のないようにお願いしますが、それは決して右翼的な感
情論や希望論ではなく、日本に投資すべきかどうかの真剣勝負でした。

日本人は数十年前から中国の政治不安を「心配」してきましたが、中国は未だ
に安定しています。逆に、日本の政治は未だにリーダーシップが確立できず、
総理大臣の名前が覚えられないほど政権が変わります。「政治不安」がもし政
治の不安定を意味するならば、結果的にどちらの政治不安が高いだろうか。

それでも中国のカントリーリスクについて日本人とまったく同じように心配し
ている中国人達がいます。それはグローバル志向の中国人群である華僑達です。
彼らは昔も今も中国の政治不安をリスクとして捉えています。

しかし、その彼らが最も中国のビジネスに熱心であり、利益を上げています。
彼らはリスクを商売しない理由にするのではなく、商売が大打撃を受けないよ
うにリスクの分散措置をとった上、落ち着いて商売するのです。彼らのリスク
ヘッジは個人を守り、中国の不安に安定の要素を与えています。

中国経済が既に華僑を通じて世界と深く繋がり、不安定な政策をとった場合、
一瞬にして富も人材も海外に退避してしまい、政権が成り立たなくなることに
中国政府がプレッシャーを感じることも、結果的に社会の安定に繋がるのです。

外国のカントリーリスクばかりが気になるのではなく、自国のカントリーリス
クにも着目すれば日本はもっと良くなると思います。「日本は危ない」とメデ
ィアで言う人がいますが、どこの何が危ないかはまったくいい加減で、憂国の
安売りキャンペーンに過ぎません。本当に危ないと思うならば予防策・対抗策
をとるのが人間ではありませんか。

リスク管理は決してテクニックではありません。心の管理です。疑う心、不信
の心がリスクへの最強な予防接種です。大地震が日本国のもう一つのカントリ
ーリスクを明らかにしました。それは津波と技術妄信でした。しかし、これら
のリスクを抑えるものがあります。それは自分と自国をも疑う心です。

P.S.
ソフトブレーンの経営から手を引いてから5年も経ちました。この間、やっと
中国人の経営者やビジネスマンと付き合うようになりました。彼らの多くは海
外と中国の両方をよく知る華僑です。いわゆる大昔からグローバル化を目指し
ていた中国人群です。

私は基本的に民族や文化の違いをあまり強調しないタイプです。経営コンサル
ティングを通じて民族や文化の違いを不当に保守派の保身に利用されているこ
とをよく知っているからです。

しかし、華僑達は明らかに何かの共通点を持っています。それは自分にも大変
共感共鳴する部分です。中国国内で会うさまざまな不愉快な中国人もいますが、
華僑達は実に愉快でオープンでしかも誠実な人が多いのです。

彼らとの交流と自分の経験に基づいて「華僑流おカネと人生の管理術」にまと
めて見ました。はじめての華僑に関する著作ですが、久しぶりに力を入れた本
です。

華僑流おカネと人生の管理術
宋 文洲
朝日新聞出版
売り上げランキング: 59



体一貫で家族と世界中に散る華僑。人災と天災に当然のように遭う。彼らはど
のように自分を律し、子孫を教え、リスクを管理し、困難に立ち向かうだろう
か。ご興味がある方はどうぞ。
https://krs.bz/softbrain/c?c=1153&m=80609&v=8372cf08

その華僑友人の一人の言葉を載せておきます。

「多くの場合、チャンスは困難の仮面を被って現れる」

(終わり)

今回の論長論短へのご意見はこちらへ↓
https://krs.bz/softbrain/c?c=1154&m=80609&v=4d2233a0

宋さんのTwitterはこちら↓
https://krs.bz/softbrain/c?c=1155&m=80609&v=e8a9a3ae
posted by 成長企業プロデューサー 小松弘明 at 12:00| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 「知道中国」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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