2006年06月05日

七田さんの北京レポート2

七田真之の北京レポート第2弾 連載2

                               七田真之

            コミュニケーションは想像力


現地スタッフと一緒にレストランで食事をする時、スタッフと店員がしょっちゅう言い合いをしています。声も大きく、表情にも不快感があって、喧嘩をしているようです。何かサービスに不手際があって、要求やクレームを出しているのだろうと思って、気にしない素振りで、その様子を伺っていますが、心中穏やかではありません。なにせ毎回起こるのですから。

現地スタッフは、「何が食べたいですか」と私に聞いてきます。何がおいしい
のか分からないので適当に答えていると、その直後にまた店員と現地社員の間
で、大声で例の喧嘩(?)始まります。私が要望したものが原因かな、と心配
になり、「無ければ良いよ、別に何でもいいので」とフォローを入れると、ス
タッフは何事も無かったかのように「いいえ、大丈夫です、もう注文しました
ので」と答えます。その日本語を話す口調はいたって平静なのです。

この様なことがあるたびに、上司に余計な気を使わせないようにしているだろ
うな、店員と激しい交渉をしているにも関わらず心配させないようにそのこと
を言わないのだろうな、中国のレストランの店員は客の要求に反発することが
多いのだろうな、大変だな、と思い過ごしてきました。これは私の中国を知ら
ないときの”想像”です。

一年経った今では、その喧嘩が何であるかが理解できるようになりました。大
体はお店の店員がお勧め料理を強く推薦しているだけなのです。目的の注文は
最初の一言二言で既に終わっており、その後店員の方から「当店のお勧めはこ
れなので、これも注文しませんか」「一体どういった味なの?」「これは広州
料理で、辛くなく…」と続く。実は他愛も無い会話が繰り返されているだけだ
ったのです。だから前述のスタッフが私に伝えた「いいえ、大丈夫です、もう
注文しましたので」は別に気遣いでも何でも無く、普通に答えただけだったの
です。

これは、中国語の四声あるのうち第四声が一つの原因なのではと思います。こ
れは強→弱へ移行する音、教科書にはカラスの「かぁ」に似ていると説明され
ていますが、私の感覚だと注意するときの「こらっ」にも似ていると思うので
す。これに店員の推薦の熱心さが加わり、更に声が大きくなり、「是非これを!どうぞ!」「いや、いらない」という会話になると、日本人の感覚では喧嘩をしているように聞こえてしまうようです。

このことが分かってから、店員が意味の分からない単語で何かしらまくし立て
ているときは、何かお店の推薦を進めているのだな、と想像するように変わり
ました。そして、意味は分からなくとも、「いや、それはいらない」という素
振りをする、正しい対応方法を身につけました。時々一人でも食事に行きます
が、意味の分からない単語をまくし立てられても、落ち着き慣れた態度で対応すると、店員も私が中国語をよく理解しているお客と勘違いをしてくれている
でしょう。

コミュニケーションとは想像力だと思います。想像が合っていれば、必然的に
行動も合っていきます。行動があえば、言葉が分からなくても、言葉が分かる
人と同じ行動が出来るようになります。背景を理解することが、言語を理解す
る以上に重要だと感じています。逆に、言葉が分かっても、背景を理解できず、想像が間違っていれば、正しいコミュニケーションは出来ないでしょう。



※これは、宋さんのメルマガに連載されているものです。
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posted by 成長企業プロデューサー 小松弘明 at 10:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 「知道中国」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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