2006年08月21日

七田さんの北京レポート(復刻版)A

これは、宋さんのメールマガジン2005.7.15配信号に掲載されたものです。
バックナンバー第26号


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七田真之の北京レポート

 「舌打ちされても傷つかない」

当社の北京事務所には私の他に日本人の駐在員が2名居ます。うち一人は女性社員で、彼女もそろそろこちらに来て半年になり、中国語も覚え始め一人で気軽に買い物にも行けるようになっています。

彼女と現地の中国人女性社員(日本語達者)、日本からの出張者と私で夕食を食べていたとき、次のような会話がありました。

日本人社員:「いやあ、先日小さいスーパーに買い物に言ったんですが、ひどいことがあったんですよ。」

私:「どうしたの?」

日本人社員 :「小さい買い物をしたのですが、ちょうど大きいお札しかなくって。どうも小さいお金は無いかと聴かれたようだったので、“無いよ”、と答えたら、なんと、“ちぇっっ”と思いっきり舌打ちされたんですよねえ。」

私:「それはどっちが客か分からないね。」

中国人社員 :「そんなことがあったのですか。えー、私だったらその店員に、“大きいお金がいらないなら、あげないのでタダでくれ”って言い返しちゃう。(笑)」

私:「それはいいかも。小さい店だとまだ日本で期待するほどのサービスは無いところも多いね。」

日本人社員 :「それは分かっているのすが、でも分かっていつつも、目の前で舌打ちされるとやはり傷つきますよね。」

私:「なるほど、そうだよね。(共感)」

中国人社員 :「・・・・」

このような会話があった中で、私はその日本社員と私との間にある共感がその中国人社員に無い様子なのが少し気になり、質問をしてみました。

私:「このように目の前で舌打ちされると、中国の人でもやはり傷つくものなの?」

中国人社員 :「(質問の意図が分からない様子で)まだやはり小さい店ではこのようなサービスの悪い所もあります。」

私:「そうではなくて、日本人だと舌打ちするのは余程の問題があった時だけなので、結構傷つくんだよね。」

中国人社員:「割と当たり前のことなので、なんとも思いませんが。」

このような会話をしました。

日本人はデリケートな気質を持っている部分があり、そこをお互い共有することが多い傾向があると思います。日本人の私はよく判ります。ただ、私と日本人社員で共感を持った一言は、中国人社員は何を言っているのかわからなかったようです。それは、思った不満をそのまま口にする店員、それに対してすぐ言い返す客、という状況が中国ではあまり特殊なことではない為だろうと推測します。

日本ではよほど腹に据えかねたときにしか行わない行為が、中国では当たり前にやり取りされる、これは会話の“ノリ”の違いなのだと思います。このノリに慣れないと、コミュニケーションでフラストレーションが溜ります。

彼らの会話の中で、全く悪気が無い。だからこちらも「傷つく」必要なんて何もないということです。「不満をそのまま口にされても、そういうものだと思って流しておき、こちらも言いたいことを言った方がいいね」とその日本人社員にはアドバイスしました。

感情的な言葉遣いはしてはいけませんが、言葉遣いは丁寧にしつつ理屈をもって言いたいことを言う分には、日本よりも気に病む人は少ないようです。これは私だけの感覚かと思っていましたが、同じく北京に駐在しているIT関連の会社の副総経理さんからも同様の話をされました。その方も毎日、社員に○○やってね、○○やってね、○○どうなった?とよく注意するそうです。

あるとき古参の中国人社員が顧客にプレゼンをするのに立ち会いました。社内でも力があり誰かに注意されることがあまりなさそうな人です。そのデモがイマイチでどうしても改善した方がいいと思い、デモが終わったあと「○○さんこうしたところをこう直したほうがもっと良くなる」と、具体的に話したそうです。

その中国人の古参幹部は「えええ!」と大きな声を出したため、一瞬その副総経理さんは怒り出したのではないかと、ビビって後ずさりしたそうですが、その次の言葉は、「このように指摘されたのは初めてです。自分の向上のためになります。どうもありがとう。」とのこと。

感情的にならず、理屈が通ることに対してはオープンですし、自己の向上のために言っているという姿勢は基本的に受け入れられるようです。

(続く)

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posted by 成長企業プロデューサー 小松弘明 at 10:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 「知道中国」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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