2006年09月04日

七田さんの北京レポート(復刻版)C

これは、宋さんのメールマガジン2005.8.12配信号に掲載されたものです。

バックナンバー第28号


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「泥棒にチャンスを与えてはいけない」

差が大きい組織では、グレーゾーンをなくしていくことが必要で、規則を明確にすることが必要だと前号で書きましたが、

同時にその規則を見えるようにする、目立つようにするということも大事な要素と思われます。

日本では、厳しい罰則があることは表に出さないようにし、オブラートに包んで注意することが多いように思います。

例えば、遅刻を繰り返す社員に、「遅刻をするな、気をつけろ」とは言いますが、「遅刻をしたら査定時に給料が減る可能性がありますよ、昇進できませんよ」と注意するケースはあまり多くありません。(上司は心のうちでそう思っていても)

しかし、中国のように差が大きい人たちの組織の中では、その点をしっかりアピールして注意する必要があるように思います。

中国では窃盗が少なくなく、実は当社の社員も被害にあったことがあります。しかも、私と食事をしている目の前で携帯電話を盗まれました。詳しい状況は割愛させて頂きますが、全く気づかせないような見事なやり方で、感心してしまうほどでした。

その後、公安に被害届をだし、若い警察の方にパトカーでマンションまで送ってもらいましたが、道中彼が言った一言が非常に印象に残りました。

社員:「普段はやらないが、その時はたまたま上着を隣の椅子に掛けていたんです。あれが良くなかった。」

お巡りさん:「それはだめだ。泥棒にチャンスを与えてはいけない。」

この言葉通りのことは街のあちこちで見受けられます。例えば中国のマンションは大体3階くらいまで、窓には厳重な鉄格子がかけられています。とても入れそうに無い状況だし、そこまでよじ登る気はさすがに起きません。

また、銀行のATMから現金を持ち出す警備員もものすごい重装備をしています。厳つい警備員2〜3名が、銃のようなものや、鉄の棒に釘がちりばめられた棍棒のようなものをこれ見よがしに持って、外に向いて立っています。その時間は、ATMに来たお客も近寄ることが出来ず、恐る恐る遠巻きに見ている状況です。もし私が泥棒で、よほどお金に困っていても、この現金輸送車を襲おうなんて勇気は全くもってありません。

つまり「泥棒にチャンスを与えない、期待させない」装備とその明確なアピールを行っているのです。未然に問題を防ぐためにはその気を起こすことさえないぐらいに派手にアピールするのが良い、という考えなのだろうと思います。この辺りも一度日本の感覚をすっかり捨てて頭を切り替えておくことが必要だと思います。

グレーゾーンを無くし規則を明確にすると同時に、不正が不可能であることを判らせるアピールを正々堂々と行う、思い切りの良さが必要です。

中国に悪い人が多いということを言いたいわけではありません。人が多い分差が大きいだけだと思います。例えば、中国にも日本人に似た人たちは1割はいるでしょう(それでも1億人)から、彼らを日本へ引っ越しさせ、代わりに日本人全員を中国へ引越しさせて、総入れ替えを行ったとしましょう。おそらく大した変化は見られないと思います。

そのような差が大きい組織を運営するには中流だけに焦点を合わせていてはいけません。最大値にも最小値にも全体に同時に焦点を合わせなければなりません。

日本での発想や感覚は中流だけを焦点に当てるため、見方が偏ってしまう場合が多いのではないでしょうか。例えば、毎日一人遅くまで残業している社員が居るとします。彼に対してどう思うでしょうか。

「定時で帰ってしまう社員が多い中、彼のようにがんばっている社員もいるのだなあ、その分評価してあげなければいけないなあ。」と思うでしょうか。私もそうでした。しかし今では同時に別の見方もします。

「彼は何で遅くまで会社に居るのだろうか、パソコンでも盗もうと考えているのではなかろうか」という想像も同時にします(実際にそのように盗みを働いた社員がいたから)。

今では夜10時以降の事務所への入退出はカードが受け付けないようになっています。つまりそのような心を起こす環境を作らないということです。

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posted by 成長企業プロデューサー 小松弘明 at 10:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 「知道中国」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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