2006年09月13日

七田さんの北京レポート(復刻版)D

これは、宋さんのメールマガジン2005.8.26配信号に掲載されたものです。


バックナンバー第29号


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人が多いと使い方も変わる(1)

技術者についていうと技術力や性格は日本と中国とで大きな違いは無いように思います。先日、中国視察に来られたある方に北京支社の概要をご説明しているときに、「日本人と比べて、中国人の技術者に特有のメリットやデメリットがありますか?」という質問をされました。

その問いに対して、以下のように答えました。「個人個人では中国人技術者だからここが際立っているというところは特にありません。ただし、日本と大きく違うところは、リソースが多いこと。これは一つのプロジェクトをやる上でのやり方や質を大きく変えます。」

日本でのIT技術者の採用における職種といえば、プログラマー、SE(System Engineer)、PM(Project Manager)、あとネットワーク管理者ぐらいでしょうか。中国ではそれ以外に、テスター、SQA(Software Quality Assurance)、ブリッジSE、などの職種があります。そして比較的日本よりは、応募側も採用側も職種に対して明確に境界を引いています。

この中でSQAという専門職は日本にはありません。彼らは品質管理に関る仕事をするのですが、それぞれのプロジェクトに入り込んで、そのプロジェクトにおける規約やプロセスの運用がきちんとなされているかをチェックしアラームをあげます。

例えば定義されたプロジェクトのドキュメント規約、フロー、それらに則って、基本設計書やテスト仕様書の作成作業がきちんと成されているか、それらはきちんと決まったフォルダに保管されているか、などをチェックします。

その他にも、スケジュールの進捗の定期的な集計を行い、どのタスクが遅れており、そのタスクに対してアラームが上がっているか、発生したリスク一覧を表に纏め、それぞれ対策状況はどのようになっているか、発生した不具合の数と対応した数の日時のグラフを作成して、それらの情報をPM他、関係各所へレポーティングし続けます。

このような仕事内容を見るとプロジェクトリーダーのように思えますが、彼らはプロジェクトリーダーではありません。SQAはリスクや遅れを発見しますが、それらの問題に対して解決方法を考えたり、遅れを取り戻す施策を打ったりはしないのです。彼らはあくまで第三者的にプロジェクトに参加し、客観的な情報を収集しそれを流すことが仕事で、責任もそこまでです。対策を打つ責任はプロジェクトリーダーであり、それはSQAとは別の人が行います。

つまり、現場で担当している実作業者自身に自分達の進捗やリスクなど客観的情報の把握を任せないのです。状況の報告と対策を同じ人物に任せると、いくらでも状況改ざんして報告できるので、信頼性がなくなるからでしょう。

このSQAは、CMM(Capability Maturity Model for Software:ソフトウエアの開発能力を客観的に示す品質管理基準)の概念から来ています。中国ではCMMがはやっており、勉強をしている人もたくさんいます。日本にもCMMがありますが、このSQAのような職種が一般的に浸透するところまでいっていません。これはやはり少ないリソースと高い人件費の環境が起因しており、日本ではいかに少ない人数をフル稼働させるかを考えざるを得ないからでしょう。大体どこも人不足、予算不足の状況なので、CMMを導入したいのは山々ながら、そんなことはやっていられないというのが日本の現実でしょう。

しかし、中国では理想的な体制がいとも簡単に組めてしまう。冒頭で話した通り、豊富なリソースのおかげでマネージメントの質も変えることができるのです。

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posted by 成長企業プロデューサー 小松弘明 at 11:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 「知道中国」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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