2006年10月02日

七田さんの北京レポートG

七田真之の北京レポート第2弾 連載8


七田真之


ブリッジマネージャー



オフショア開発のように日本と中国をまたいで仕事を進める時に、キーポイントとなるのはブリッジSEだと言われています。ブリッジSEとは中国語と日本語を話せるSEや技術者のことで、日本語と中国語に精通していて、技術もよく分かっている人というのが条件になります。一般には日本で留学し、そのまま日本の会社に勤めたことのある中国人が候補となります。そのような人が日本と中国の間に立って、コミュニケーションを円滑にしてくれると、オフショア開発も成功に近づくと言われています。


当社も日本と中国とのプロジェクトをたくさん行っていますが、スムーズに行くプロジェクトとそうでないプロジェクトがあります。その違いは、良いブリッジSEがいるかいないかによるのかというと、案外そうではないようです。

上手くいくプロジェクトには必ず核となるキーマンがいるのです。その人が現場の中心に立って、細かく全体像を把握し、各自に確認を繰り返し、詳細な指示を出し、的確に双方に説明する責任を遂行しています。このようなキーマンは、日本語しか話せない日本人、もしくは中国語しか話せない中国人、またお客様の担当の方がそのような核になっていることもあります。彼らは淡々とマネージメントの基本と責任を行っているだけです。このような核があるチームはものすごい力を発揮します。逆にこのような核がないプロジェクトではブリッジSEをいくら投入してもうまくいきません。

私はこのような核となる人物をブリッジマネージャーと呼んだら良いのではと思っています。そして、オフショア開発のキーは優秀なブリッジSEではなく、ブリッジマネージャーの有無ではないかと考えています。言語能力はあまり関係ありません。通訳を一人付ければ済むだけの話です。言語が出来ないのは、スピードのデメリットがあるだけです。

中国関係の部署に人選をする場合に、中国語の能力の有無や、中国に行ったことがあるか、中国が好きかどうか、などを選考の条件にするのは、適切でないと思います。行かせるならば日本でそのまま仕事をしていてもマネージメントが出来る人にするべきです。中国人で日本での就業経験がある人を行かせる場合も、その人が日本にいてもマネージメントが出来るかどうかを見てからの方が良いでしょう。中国人だから、日本では活躍できなくても、中国では活躍できるのではないか、と思うのは、全くの幻想です。日本でマネージメントが出来ない人は、中国でも出来ません。これは考えてみれば当たり前の話です。ポイントはやはりマネージメントにあります。


北京では最近対日オフショアで成長している企業が増えています。当初彼らも日本向けの仕事の難しさから失敗続きだったようですが、その失敗から教訓を学び、日本での業務のやり方をよく研究し、うまくいく方法をつかんできています。これらの企業の中国人経営陣たちは、ブリッジSEからブリッジマネージャーへと自ら変化しています。

米国からのインドへのオフショアが活発になった背景に、シリコンバレーで働いていたたくさんのインド人技術者たちがその企業の上級幹部になったためだという話を聞いたことがあります。つまり発注担当の決裁者がインド人になったからということです。また近年米国からの中国へのオフショア開発が活発になってきた背景は、同じくシリコンバレーではたらく中国人技師術者が上級幹部になってきたからだと言います。

日本で働く中国人の技術者は多いですが、上級幹部まで出世しているケースはまだ少ないようです。今後そのような人事が増えてくるかどうかは分かりませんが、現状ではすぐに増えそうな気配はありません。
そうであるならば、ビジネスにおいて日本と中国との相乗効果を高めるには、やはり日本人ブリッジマネージャーが増えてくれることが望ましいでしょう。しかし現在、日本人のブリッジマネージャーというのはほとんどいません。ブリッジSEすらほとんどいない現状です。もっと増えて欲しいと思います。

(終わり)

※これは、宋さんのメルマガに掲載されたものです。
posted by 成長企業プロデューサー 小松弘明 at 10:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 「知道中国」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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