2014年03月26日

「新卒採用」にまつわる二つの記事から…

下記にあげる二つの記事を読んで、もう30年近く前になる自分の就職活動を思い出した。

@“ドワンゴ・川上量生会長 「受験料徴収」の真意 大量の“廃人”を生み出す「就活」”
        ↓
 http://wedge.ismedia.jp/articles/-/3682

A大前研一氏が斬る「就活」 「新卒一括採用」に国際競争力なし
        ↓
  http://wedge.ismedia.jp/articles/-/3695

今、私が学生なら間違いなく「国際競争力のない日本人学生」であったろう。
一方、川上さんが戦った「リクナビのエントリー煽り」に振り回され、廃人になっていた可能性が高い。
正直な気持ちだし、とにかく就社がゴールだった思い出しかない。
(時代背景がよく、多くの内定をもらって就社には困らなかっただけである)

当時の私は、自分のこうなりたいという実現欲求はうすぼんやりとしていて、どうせなら、
“仕事を通じて幅広く世間が解るだろう”と銀行業界を志望したにすぎないし、どうせなら
おいしいものを食べたいと思い、給料のよさそうな業界を志望した。
大前さんに言わせれば、私なんてどうしようもない学生だろう。
(学生最後のある体験で、心の中には事業家になりたいなぁという種火はともしていたのだけれど…)

話は変わるが、

■川上さんの記事(ご発言)で、特に感銘を受けたのは、

「仕事は食うためにするものだと思います。少なくとも「自己実現」や「やりがい」なんてことを学生に教えるべきではないんじゃないかな。」

「日本は「新卒一括採用」だからこそ、世界で最も「職業選択の自由」が担保されていると言えます。また、「新卒一括採用」というしくみは日本全体の大規模なインターンのようなもの。入社し、数年後に辞めても、経験やスキルなどを得られて、お金ももらえるわけだから。」

「正々堂々と闘い、玉砕する弱肉強食の社会が「美しい」とは、僕は思いません。」

■大前さんの記事で、その通りと思ったのは、

「大学を卒業した学生の内定率が8割を切った」と大騒ぎをしたり、「新卒後、3年過ぎた者も“新卒”とみなす」としているのは、まさに本末転倒で日本しかない。」

「月に25万円を稼ぐのに、こんなに大変なのか、と体でわかっているほうがいい」

「政府は大卒後3年以内を新卒扱いにして雇用した企業に助成金を支給するとしている。こんな甘いことをしているのは、日本しかない」

強引にお二人の意見に対する私の好き嫌いを表明すれば、

@:A=7:3

で、川上さんに軍配を上げる。もちろん大前さんのご意見もごもっともだが…

組織で大きな成果を出す場合、ひとりの天才やカリスマ的存在だけがいてもダメなのである。
大前さんは、突出した人材の必要性を説いておられるのだろうが、
私は、一見“ひ弱”でも集団としてトップを支え、目標に一直線で進むことのできる組織こそ
グローバルで戦える組織だと確信している。むしろ、トップは、多少アホなほうがいいくらいだ(笑)。
なぜ、劉邦は項羽に勝って漢を建国できたか、という歴史を見れば、その原理もわかるはずだ。
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人の能力は、基本的には限界がない。何かのきっかけで、成長・開花するものだと私は思っている。
そのきっかけが早いか遅いかは、人それぞれで、一生そのきっかけに気づかない、めぐりあわない場合もある。
競馬に例えるのは乱暴だが、早成馬もいれば、遅咲きの馬もいる。
但し、テレビに出るような有名馬は、強烈な競争に勝ち抜いた馬だけだということだ。
ビジネス人は競馬レースをしているわけではない。年を重ねてもいくらでもチャンス(機会)はある。
KFCのカーネルサンダースおじさんは、63歳(私の記憶です)で起業し、成功したはずだ、様々な失敗を経たあとで…。
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「新卒一括採用」について、私はこう考えている。
ひとつの制度であり、制度的疲労を起こしているのかもしれないが、存在理由も大きい。

学生にとってみれば、ひとつの「競争の場」だと捉えてほしい、しかも機会均等な。
もちろん、その「登竜門」を通らないというのも選択肢のひとつなだけで自由なのであることも。
またどんなものであろうが、何かの登竜門がなければ、人は成長しない。
(結婚も登竜門のひとつかもしれない、人間力養成の場としての(笑))

「新卒一括採用」という登竜門に勝ったからといって、輝かしい未来など、どんな時代でもあるわけはないこともまた知るべき事実だろう。むしろ、その競争に敗れたことをバネにできる者が、新たな未来を手にする権利を得られるのだと。

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大前さんは、
「経営者がサラリーマン化して、困難をブレイクスルーする力が弱くなった。これが、国際競争力を失った、最大の理由。今は無から有をつくることが求められる時代。新しいものを生まない限り途上国とのコスト競争になるから、勝てないんだよ。」とおっしゃられており、企業が時間をかけて育てる時間がない、即戦力が必要だとおっしゃられているが、

もしそうだとしたら、若い人材を時間をかけて育てられなくなった責任は、私を含めた大人にあり、
今の学生諸君にその責任を取らせることはできないはずだ。年金問題と同じ構図になっている。
とすれば、能力がなく、給料の高い中高年を大量レイオフするのが、最大の解決策になるだろう。

川上さんのおっしゃる、
「今の日本は付加価値をつけてサービスしなければいけない。流動性の高い人材が多数を占めていたら難しいと思う。その会社にしかないノウハウなどを社内に残していかないと、他社と勝負ができない。特にうちのようなサービスを提供する会社は付加価値をつけていく必要があります。」
というご意見は、傾聴の価値ありと思う。
(ノウハウを持った人材の国籍・性別・年齢は無関係だという点とそのノウハウを発揮する時期や組織特性での必要性の大小が本当の論点かもしれないが…)

最後に、

今、日本社会に必要なのは、「成功だけを讃える」ことではなく、「失敗の奨励」にあると確信する。
成功するノウハウではなく、失敗から学び、脱却し成果につなげるノウハウこそ、付加価値になると。

失敗から課題・問題を的確に見つけ、その解決策を出し、実行に移せる人材を多くつくりだすことが、
企業責任の大きなテーマだと思う。
もし、その人材がせっかく育成したのに転職してしまったとしても、その次の組織でその能力を発揮してくれることが、この日本の将来に大きく寄与すると信じることが、経営者の責務だろうと思うからである。

すごい長文になって、まとまりがなくなって来た。やめます(笑)。
posted by 成長企業プロデューサー 小松弘明 at 19:00| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 自他共育 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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