第二次大戦中、ファシズムに対する研究として書かれたものである。
今、読んでも、色あせない。
資本主義がベストで完璧なシステムだとは、思わないが、
社会主義もまた、戻れる道ではあるまい。
そして、現代こそ全体主義を理解し、その不条理さを正しく理解しな
ければならないと再認識した。

ドラッカー名著集9 「経済人」の終わり (ドラッカー名著集 9)
126p〜引用する。
産業社会の脱経済化という奇跡はなるか
『ドイツとイタリアのファシズム全体主義において、最も重要であり
ながら、最も知られていない側面が、個々の人間の位置と役割を、
経済的な満足、報酬、奨励ではなく、非経済的な満足、報酬、奨励
によって規定していることである。産業社会の脱経済化はファシズム
全体主義が目指す奇跡である。それは産業社会を脱経済化することに
よって、不平等たらざるをえない産業社会の維持を可能にし、かつ
妥当なものにしようとする。』
一方、現代において、“市場原理主義”の行き過ぎを指摘する意見も
また、傾聴しなければならない課題だ。
ワーキングプアを生み出す社会は、行き過ぎた“格差社会”であり、
資本主義の持つ良性な面を揺るがす可能性もあろう。
今、世界は、新たな資本主義社会にむかう過渡期なのかもしれない。
地球環境問題も含め、解決していく方向性は、
天然資源、知価資源等々のすべてのリソースと富の再分配を構築する
あらたな枠組みを構築していくことなのかもしれない。
大袈裟な話しになってしまったが、人類には叡知があるのだから、
きっと‥