昨日の続き‥‥
小学校時代、僕は本があまり好きでなかった。
「推薦図書」などというものがあって、夏休みに読書感想文を書いて提出しなければならなっかったりした。
おもしろい本なら感想文も苦にならないが、どうも中身がお仕着せがましかったり、教訓じみていたり、子供心に「推薦」の理由がミエミエで、嫌だった。
その僕を「本」好きにしてくれたのが、土佐中学時代からの大親友で、今、S林業に勤めている「T・Y」だ。
会うと「今、何読んでる?」とお互いに聞きあうのが常だ。
この前会ったとき、「T・Y」は電子BOOKで「カラマーゾフの兄弟」を読んでいた。
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確か中学二年の夏休みのことと記憶している。お互い夏休みに何をしていたかという話題で話していた。
「親父の田舎に帰っただけだけど、やることもなかったんで、三日で12冊本を読んだよ。」とつぶやくように「T・Y」が言った。
当時の読書嫌いの僕は、まず、“どうしてそんなスピードで読めるのか?”という疑問と“そんなに面白い本が本当にたくさんあるのか?”という二つの疑問がわいた。
「筒井康隆、おもしろいぞ。」またぽつんと彼は言った。
それに加え、「たくさん読んでるうちに、どんどんスピードが上がってくるよ。」と事も無げに言った。
まず、三日で12冊という記録を抜きたいという
競争心に火がついた。
そして、自分よりも面白いものを知っている事自体に対する
対抗心もむくむくと湧いた。

「俗物図鑑」「ホンキイ・トンク」「脱走と追跡のサンバ」‥‥
とにかく、読みまくった。「T・Y」もあきれるくらい読んだ。
(三日で12冊という記録は破れなかったが‥‥)
もちろん筒井康隆だけではない。彼の読んでないものも読んで、自慢した。
「T・Y」も「小林秀雄、シリーズで読んでるんだけど‥‥」なんてジャブを打ってきた。
この応酬が、すっかり楽しくなった。
おかげで、速読術に近い技を身につけることができた。
今でも会うと「何、読んでる?」が挨拶なのは、二人の「対抗心・競争心」がくすぶっているからだろうと思う。
しかし、今、「カラマーゾフの兄弟」を読んでる「T・Y」には脱帽。*********************************
筒井康隆は、夜、マイルスでも聞きながら読むのをお勧めします。


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posted by 成長企業プロデューサー 小松弘明 at 10:00|
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